日本脳炎とは
日本脳炎は、特定の種類の蚊によって感染するウイルス性疾患です。 脳炎は脳の全般的な炎症で、多くの原因がありますが、その一つに感染があります。 日本脳炎の原因となるウイルス(フラビウイルス)は、動物(豚や鳥)と人間の両方に感染します。 人間の場合は、脳とそれを覆う膜に炎症を起こすことがあります(脳炎)。 このウイルスに感染する唯一の方法は、感染した蚊に刺されることです。
日本脳炎はどこで起こるのですか?
日本脳炎は、アジアの多くの国でウイルス性脳炎の主要な原因となっています。 ほとんどの感染者は、中国、韓国、東南アジア、インド亜大陸で発生しています。 この感染症を媒介する蚊(Culex mosquito)は、一般的に農村部の農業地帯で繁殖し、水を張った田んぼでよく見られます。
症状
日本脳炎ウイルスに感染しても、ほとんどの人は発熱や頭痛などの軽い症状しか出ません。
感染者の約200人に1人が重症化します。
- 高熱、
- 頭痛、
- 首のこり、
- 発作、
- 錯乱、
- 麻痺、
- 昏睡などが起こります。
重症の方の約30%が亡くなり、生き残った方の半数までが脳や神経系に長期にわたる障害を抱えています。
日本脳炎にかかるリスクはありますか?
日本脳炎が流行している国に行く場合、感染のリスクは、訪問予定の地域、滞在期間、季節によって異なります。
都市部を訪れる旅行者は感染の可能性が低く、農村部に長期間(1ヶ月以上)滞在する人は最もリスクが高いと言われています。 また、農村部、特に浸水した水田がある場所を訪れ、屋外で長時間(特に夕暮れ時や日没後)過ごす予定がある場合は、滞在期間が短くても、感染のリスクが高まります。
日本脳炎の治療
残念ながら、日本脳炎を完治させるような特別な治療法はありません。 重症化した場合は、病院での治療が必要になります。
予防接種による予防
日本脳炎の予防には、予防接種が効果的です。
海外旅行者のための予防接種
アジアへの旅行を予定しているすべての人に予防接種が必要なわけではありません。 感染シーズンに被災地に1ヶ月以上滞在する予定がある場合、特に農村部を旅行する場合は、予防接種を受ける必要があります。
また、パプアニューギニアに1ヶ月以上滞在する予定の旅行者、特に雨季に旅行する場合は、ワクチン接種をお勧めします。
ファー・ノース・クイーンズランド州の住民に対する予防接種
日本脳炎に対する予防接種は、外側のトレス海峡諸島のすべての住民(1歳以上)に推奨されています。
予防接種
日本脳炎に対する十分な予防効果を得るためには、1ヶ月間に数回のワクチン接種が必要です。 また、3年に1度、ウイルスから身を守るための追加注射が必要になることもあります。
予防接種が必要な場合は、渡航前に十分な免疫を得るために、渡航の10日前までに最終回の接種を受け、万が一、ワクチンに遅発性の反応が出た場合に備えて医療機関を利用する必要があります。
約40%の人がワクチンに対して軽度の反応を示します。症状としては、注射部位の圧痛、発熱、頭痛、筋肉痛などがあります。
ワクチン接種後、数分から1週間以内に起こる重度のアレルギー反応はまれです。
他に感染から身を守る方法はありますか?
ワクチンを接種したとしても、旅行中に蚊に刺されないように注意することは重要です。 蚊取り線香を使い、防護服(ゆったりとした長袖シャツと長ズボン)を着用し、薄暮時や日没後は室内にいるようにしましょう。
旅行先によっては、蚊に刺されないようにすることで、マラリアやデング熱などの蚊が媒介する病気への感染を防ぐこともできます。