本論文は,同じCAG反復数を持つ患者を含む脊髄小脳失調症I型患者の死亡率の不明瞭な点について調査した結果を示すものである。 1993年から現在までに観察された患者の死亡率の分析が実施された。 抽出されたのは112人の患者で、その間に53人の患者が死亡した。 受け取ったデータと1980年以前に死亡した患者の死亡率の分析結果について比較分析を行った。 受け取ったデータによると、正常対立遺伝子のCAG反復の平均値は30.2であり、病的対立遺伝子のそれは48.7であった。 平均寿命は52.8歳、平均発病年齢は38歳、自然罹患期間は14.8年であった。 患者の寿命を等間隔で分析した結果、患者の寿命の範囲は8年から23年であった。 患者の寿命が短くなる原因は、事故、癌、心血管疾患の併発であることがわかった。 肺の結核のような併発疾患があっても、患者の寿命は短くならない。 34年間の死亡率を比較分析した結果、発症年齢はより保守的で安定した罹患率の指標であることが判明した。 有効な治療法がないにもかかわらず、自然罹患期間は観察期間中に統計的に信頼できる範囲で最大1.8倍まで増加した。 脊髄小脳失調症患者の寿命を分析した結果、CAG拡張の長さ以外の寿命は、病気の進行を加速させたり遅らせたりする多くの要因に依存することが明らかになった。 悪性新生物、循環器系の疾患、外因などが主疾患の発症を促進・遅延させる要因として挙げられる。 我々の症例では、結核が加わっても、病気の自然経過に変化はなかった。 社会的、経済的、医学的な要因を含む患者の延命のための他の要因は、神経変性プロセスの予防的修正の方法を開発するために、さらに詳細に調査する必要がある。