EUの交渉委任状の草案には、英国に対して「不法に持ち出された文化的物品」を返還するよう求める内容が含まれているため、ギリシャは今後のBrexit交渉の一環として、英国にエルジン・マーブルの返還を要求できるようになるかもしれません。
この予想外の「返還・復帰」条項により、物議を醸している紀元前5世紀の大理石の遺物を、ギリシャの故郷に輸送することが可能になるかもしれません。
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しかしながら、政府はパルテノン神殿の大理石のギリシャへの返還について、今後のEUとの貿易交渉の一環として議論することはないとしています。
英国政府の報道官は次のように述べています。 “
英国政府の報道官は次のように述べています。「パルテノン神殿の彫刻に対する英国の立場は変わっていません-それらは大英博物館の法的責任です。
議論を呼んでいるこの作品について、知っておくべきことをまとめました。
エルジン・マーブルとは?
「エルジン・マーブル」とは、現在ロンドンの大英博物館に所蔵されている紀元前5世紀の古代ギリシャの彫刻や建築物の細部のコレクションのことです。
その約半分は、1799年から1803年までオスマン帝国の駐英大使を務め、1458年から1820年代までギリシャを占領していた第7代エルジン卿トーマス・ブルースの遺言により、アテネのパルテノン神殿をはじめとする古代建築物から取り出され、イギリスに輸送されました。
なぜ物議を醸しているのか
エルジン・マーブルは200年以上にわたって物議を醸しており、残りの彫刻を所蔵するアテネのアクロポリス博物館は、現在の展示の中にエルジン・マーブルのためのスペースを空けています。
しかし、大英博物館は、紀元前5世紀のパルテノン神殿を飾っていた160メートルのフリーズの約半分であるこの古代の大理石は、エルジン卿がオスマン帝国の指導者と合意して合法的に入手したものだと主張しています。
また、1861年からエルギンの運搬車を収容していたため、遺物が劣化せずに保存されていると主張していますが、昨年の調査では、遺物が修復不可能なほど損傷していることが判明しました。
今回のエルジン・マーブルの撤去は、文化財の所有権や原産地への返還についての議論を浮き彫りにし、大英博物館は「盗まれた文化財」を展示していると非難されています。