目的。 カテコールアミンのo-メチル化代謝物である血漿メタネフリンの検査が,血漿カテコールアミンや尿中メタネフリンの標準的な検査よりも褐色細胞腫の診断に有利であるかどうかを検討する。
デザイン。 クロスセクショナル・スタディ
設定。 3つの臨床専門センター。
対象者 褐色細胞腫患者52名,基準値を提供した正常血圧者67名と本態性高血圧患者51名,比較群とした二次性高血圧患者23名と心不全または狭心症患者50名。
測定方法。 カテコラミン(ノルエピネフリン、エピネフリン)とメタネフリン(ノルメタネフリン、メタネフリン)の血漿中濃度を全例で測定。 メタネフリンの24時間尿中排泄量は、褐色細胞腫の患者46名を対象に測定した。
結果。 褐色細胞腫は、血漿中のカテコラミン濃度の上昇よりも、メタネフリンの血漿中濃度の上昇の方が大きく、かつ一貫性があった。 褐色細胞腫の患者で,ノルマルメタネフリンとメタネフリンの両方の血漿濃度が正常であった者はいなかった。 これらの検査の感度は100%(52人中52人),メタネフリンの血漿中濃度が正常であることの陰性予測値は100%(162人中162人)であった. 血漿中カテコールアミンの検査では,8つの偽陰性結果が得られ,感度は85%であった(52人中44人)。 血漿中のカテコールアミン濃度が正常であることの陰性的中率は95%であった(164例中156例)。 尿中メタネフリンの検査では,5つの偽陰性結果が得られ,感度は89%であった(患者46人中41人)。 血漿中メタネフリン検査(15%)と血漿中カテコラミン検査(18%)の偽陽性数には統計的な差がなかったため,両検査の特異度には差がなかった。
結論です。 血漿中のメタネフリン濃度が正常であれば褐色細胞腫の診断は除外されるが、血漿中のカテコラミン濃度が正常であったり、メタネフリンの尿中排泄が正常であったりしても診断は除外されない。 褐色細胞腫の診断において、血漿メタネフリンの検査は、血漿カテコラミンや尿中メタネフリンの検査よりも感度が高い。